🍇ブドウの倍数性・倍数体とは??見過ごされがちだが、意外に大事だぞ!?
こんにちは、あっぷるSCです。
今回はブドウの倍数性について解説していきます!
意外ですがブドウに大きな影響を与えています!
倍数性・倍数体とは
そもそも倍数性って何??
生物あるいはその生活環の一時期において、生存に必要な最小限の染色体の1組(ゲノム)を何セット持つかを示す概念。
では、倍数体とは?
倍数性に基づいて表現した生物の分け方。
ヒトの場合は “2n=46” の相同染色体を持つ動物だと、いつの日か教わりましたよね。生殖細胞は体細胞の半分で23本であると習いました。懐かしいですねw
生殖細胞がもつ1組(ヒトでは23本)の染色体のDNAに含まれるすべての遺伝情報がゲノムです。つまり,ヒトは父親由来のゲノムと母親由来のゲノムの2セットのゲノムをもつことになります。つまりヒトはニ倍体ということになりますね*1。
よって、ゲノムが3セットなら三倍体、ゲノムが4セットなら四倍体ということになります*2。体細胞が生殖細胞の何倍であるかによって、倍体数が変わってくるんですね。
ブドウの倍数性について
ブドウは二倍体・三倍体・四倍体それぞれ存在しています。ほとんどが二倍体で、四倍体は少なく、三倍体はごくごく僅かです。
また、ブドウの染色体は19を基本数(ゲノム1セットに相当する染色体数)として、体細胞の染色体数は二倍体で38、三倍体で57、四倍体で76となります。
倍数性の違いによるブドウへの影響
倍数の違いによって影響を受けるのが、ブドウの果粒の大きさです。二倍体品種よりも四倍体品種の方が花や果粒が大きい傾向にあります。
また、三倍体品種は四倍体品種と二倍体品種の交雑によって育成されたもので、特徴は無核であるということ。なので自然交配では結実いたしません。そして、葉などが大きい四倍体品種は、どうしても樹勢が強くなる特性があります。このため、こちらも結実しない「花ぶるい*3」という現象が起きやすいです。*4。
解決策としてどちらの倍体品種もジベレリン処理(花ぶるいを抑制し、かつ種無しにできる技術)をすることが重要になってきます。
倍数体が多いとその分やらなければいけない作業が増えそうですね。ただ四倍体の方が実が大きくなる。それも捨てがたいです。倍数体に着目してブドウ選びをしてくのも大切かもしれません。
次回はジベレリン処理について話していきたいと思います。